なんとなく哀愁を

大阪で哀愁を拾い集めています。

街で見つけた古い看板「わた 糸芳 いと」

9月頭に飛来した台風21号の爪痕が街の各所に残っている。猛烈な風により吹き飛ばされたものは数知れず。家の壁、店の看板、日除けなど、あらゆるものが剥がれ吹き飛んだのだが、それにより今まで隠されていた昔の遺物が露わになっているところも点在している。

 

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「わた 糸芳 いと」

 

日除けが吹き飛んで姿を現したかつての屋号。ファサードに直接ペイントされているのが時代を感じる。今から遡るとどれくらいのものだろうか。少なくとも50年は優に超えるはず。 綿と糸が専門の個人商店なんて、きょうび探してもなかなか見つからない。このお店はまだ日本で製糸産業が盛んだった頃から営業していたのではないかと推測する。

 

かつて世界から東洋のマンチェスターと呼ばれていた紡績大国の鱗片。今もまだ営業されているのか不明だが、日本歴史の写し身のようなこの看板が今も形として残されているのは、家主さんなりのはからいだろうか。

 

思わぬところで街の文化遺産に出会ったひと時だった。