なんとなく哀愁を

大阪で哀愁を拾い集めています。

街で見つけた古い看板「わた 糸芳 いと」

9月頭に飛来した台風21号の爪痕が街の各所に残っている。猛烈な風により吹き飛ばされたものは数知れず。家の壁、店の看板、日除けなど、あらゆるものが剥がれ吹き飛んだのだが、それにより今まで隠されていた昔の遺物が露わになっているところも点在している…

レトロ物件「東谷町ビル」その3

ビル入口の階段を降りると駅のホームへと続く道に繋がるのだが、その途中で小さな商店街に突き当たる。 店の屋号がズラリと並ぶ一覧表。名前がどれもレトロチックで味わい深い。おそらく平成以前から営業している店舗が多いのだろう。所々歯抜けになっている…

レトロ物件「東谷町ビル」その2

先日の記事で紹介したモザイク調の住宅、実は1階が地下鉄の駅に直結している。年季の入った外見が示す通り、内部もそれらしく時代を感じるつくりが節々で見られる。 駅出口からの案内板。相当昔から設置されているのだろう。保存状態は良好だが、その材質や…

レトロ物件「東谷町ビル」その1

谷町九丁目にある住宅。様々な色調のタイルが散りばめられた、一見デザイナーズマンションのように見える建物なのだが...。 よくよく見ると、どうやらこの模様はすべて壁の補強による修繕の跡のようだ。脆くなった部分を新しいタイルに交換する、という修繕…

昭和的タイポグラフィ

大阪メトロ朝潮橋駅から少し離れた場所にある美容室。カット&パーマの哀愁漂う看板が素敵だ。 現代の均等化されたデジタル書体にはない、独自の切れ味が光る昭和の手仕事レタリング。文字の中心に入ったラインや、角の一部だけ丸みを帯びたデザインに、職人…

西日本を襲った台風21号

9月4日、台風21号が西日本を直撃。25年振りに「非常に強い」勢力で上陸した台風21号の風圧は凄まじく、私の住んでいる大阪市にも大きな爪痕が残りました。 ひしゃげたスーパーのテント。 どこから飛んできたのかわからない倒木。 どっかの屋根と思われる物体…

防衛庁広報板

夕方ジョギング中に発見した、悲壮感ただよう古い掲示板。 防衛庁は2007年に防衛省に改められているので、少なくとも10年以上放置されているものと思われる。久しく何も貼られてないのであろう、テープの跡ひとつない青白い平面が哀れを誘う。帰る家なく依る…

五階百貨店を歩く2

五階百貨店は路地に入ると、深遠なる哀愁が漂っている。無骨な店舗が猥雑としている様は、怪しげでどこか趣深い。前日紹介した3階建ての平屋の様に、店舗が密集している平屋がもう一軒存在するので、今回はそこに訪れてみようと思う。 ここが入り口のようだ…

五階百貨店を歩く1

大阪日本橋には「五階百貨店」なる区画が存在している。古くからの商店が軒を連ねる、渋い街並みがそこには広がっている。 堂々と掲げられた「五階」の文字。一見、三階建てなのに強引に五階だと言い張ってる、わけのわからない建物に見えるだろう。だがこの…

メダルゲーム「ジャンケンマン」について

近所の商店街の一角で懐かしいものを見つけた。メダルゲームのジャンケンマンである。 ルールは単純かつ明快。ジャンケンに勝てばルーレットがまわってメダルを貰うことが出来る。大当たりは50枚、中当たり16枚なのだが、私は当たった試しがない。大抵1枚か2…

大阪日本橋「中川ムセン」と「マトウ家具」

大阪日本橋は電化製品の街、家具の街として長らく親しまれてきた。 かつて大小さまざまな規模の電気屋と、同じく数多の家具屋が軒を連ね盛況していた。今では電気屋は競争の波にのまれその数を減らし、家具屋に至ってはほぼ壊滅状態と化した現在。もはや電化…

始まり始まり

このブログでは私の地元大阪で見つけた哀愁ある風景を綴ります。 街の片隅に転がっている、色あせた過去の面影。 気づかないうちにひっそりと消えてしまいそうな、 そんな些細な哀愁を記録として残してみようか。 そんなことを考えながら、平成最後の夏、 な…