防衛庁広報板
夕方ジョギング中に発見した、悲壮感ただよう古い掲示板。
防衛庁は2007年に防衛省に改められているので、少なくとも10年以上放置されているものと思われる。久しく何も貼られてないのであろう、テープの跡ひとつない青白い平面が哀れを誘う。帰る家なく依る木もなく、ただ鉄網に吊るされて雨風に晒される日々。どうしてこんなことになってしまったのか。一体どこで何を間違えてしまったのか。
置き去りにされた役務。こんな場末の街に設置されたことが運の尽きだったのか。現防衛省もこんな場所に設置したことなんて、とうに忘れてしまっているのだろう。もしもミナミやキタのような華やかな場所に設置されていれば今頃は...
今頃はとっくに回収されて、破棄され燃やされ灰になっていただろう。
そう思うと、ある意味ここに設置されて良かったのかもしれない。見捨てられ、置き去りにされたことにより命脈を保つ。忘れられてしまうというのは、案外悪いことばかりじゃないのかもしれない。