なんとなく哀愁を

大阪で哀愁を拾い集めています。

五階百貨店を歩く2

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五階百貨店は路地に入ると、深遠なる哀愁が漂っている。無骨な店舗が猥雑としている様は、怪しげでどこか趣深い。前日紹介した3階建ての平屋の様に、店舗が密集している平屋がもう一軒存在するので、今回はそこに訪れてみようと思う。

 

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ここが入り口のようだ。 ブルージーな「皆様の店 五階百貨店」の文字。矢印でココとか書いてるけど、これ本当に入り口なのだろうか。何回か訪れているが未だによくわからない。入り難い佇まいではあるが、これが五階百貨店の魅力のひとつなのかもしれない。

 

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建物の中は区画が割り当てられており、小さな店舗が各々店を切り盛りしている。ここではレトロな扇風機が店頭に並んでいるのだが、どれも値札が付いていないし、わりと無造作に置かれている。はたしてこれらは売り物なのだろうか。何回か訪れているが未だによくわからない。もしかしたら客から預かったレトロ家電を修理するような店だったりするのかもしれない。

 

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ここも一応テナントが入れる敷地のようだ。 詳しくは隣の店が教えてくれるとのこと。 聞きたいことは色々あるけれど、畏れ多すぎて聞くに聞けない。 家賃はいくらなのか。どういう契約なのか。電気は通っているのか。そもそもこんなスペースで商売成り立つのか。 何回か訪れているが未だによくわからない。 というか訪れるたびにわからないことが増える。

 

独特の雰囲気に圧倒されて、思わずたじろいでしまうことばかり。 おそらく店主とのコミュニケーションが取れないとここでの買い物は成り立たない。 今時のコンビニみたいに、逐一商品の値段が書いてあったり、無言で会計を済ませたりなんてことは、まずあり得ないと考えて良いかもしれない。 しかし私はここに来るたび、なぜかしらとても新鮮な気持ちで満たされる。 この泥臭くて原始的な佇まいが、平成生まれの自分にとってはとても刺激的。 時代という時の流れに、いい意味で取り残されている場所なのだと思う。 古き良き昭和というのは、まさにこのような場所のことなのかもしれない。

 

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最後に出口から1枚。(こっちのほうがメインの入口かもしれない)